教育方法の歴史
「古代から近代までの教育方法」- ソクラテスの産婆(助産)術
- 問答法のこと、対話によって、無知を自覚していく無知の知によって、漠然とした知識を正しい認識に導き高めていく方法。
- 対話が真理を生み出す手助け(助産)となる。
- 言語のみによる教授法。
- コメニウスの教授法
- 実物観察に重点をおく教授法。
- デカルトやベーコンらによる自然科学的な学問研究法の影響を受け、事物による教育を主張した教授法を体系的に著しました。
- ペスタロッチの教授法
- ルソーの影響を受け、人間性の基礎は家庭や小学校教育にあるとし、子どもの自発的活動を重視した。
- 子どもに内在する可能性を子どもの自発性や自己活動によって引き出すとういう「自助への援助」を目指した。
- ヘルバルトの教授法
- 知識の伝達よりも学習者の意欲や自力を重視し、今日の学習指導法や生活指導法も影響を与えた。
- 四段階教授法(明瞭→連合→系統→方法)
「20世紀の教育方法」
- デューイの進歩主義教育
- 問題解決学習
- 子どもが自ら生活のなかで問題を発見し、分析して仮説を立てて検証するという思考に基づく学習方法。
- キルパトリックのプロジェクト・メソッド
- デューイの教育理念を具体化されたもの
- 学習者自身が生活の中で課題をみつけ、それを自主的に解決するというもの。
- 目的・計画・実行・評価
- オコン(ポーランドの教育学者)の教授過程論
- 教師、生徒、教材という教授過程三要素のうちの教師の役割に着目し、科学的に分析して、科学的道筋に従って知識を教授する方法を探究した。
- スキナーのプログラム学習の理論
- 1920年代のアメリカでは教育の効果を測定することが盛んに行われていた。
- テスティング・マシーン、プレッシー
- ティーチング・マシーン
- スキナーが考案した問題提示装置
- 機械を相手に自分のペースで学習を進めるプログラム学習を提唱。
- プログラム学習
- 学習過程を細分化した、スモールステップの原理
- 積極的に反応を求める、積極的反応の原理
- 結果を即時に確認させる、フィードバックの原理
- 直線型(リニア)プログラムと呼ばれる
- ブルーナーの発見学習
- 1960年に「教育の過程」を著した。
- 発見学習
- 学習者自らが、学問や文化の基本的構造に関する内容の発見の過程に参加することによって、発見的に学ぶことを意図した学習方法。
「教育方法・プラン」
- ウィネトカ・プラン
- 学習の徹底した個別化をねらう学校組織案の一つで、20世紀の初めアメリカのウォシュバーンをリーダーとするグループによって考案、実施された。
- ドルトン・プラン
- 一斉授業を行わないで、各自の伸展に従って学習を進めていく方法、ヘレン・パーカストにより組織された。
- バタビア・プラン
- 1898年視学官ケネディが、同市の小学校およびハイ・スクールのために考案・実施した教授組織改善案。
- バージニア・プラン
- 戦後のわが国におけるコア・カリキュラム運動や、社会科の学習指導要領の編成に大きな影響を与えた。
- イエナ・プラン
- ドイツの教育学者ペーターゼンの主宰のもとに、実施された学級組織案で学校を作業共同体とすると同時に生活共同体とすることを理想としている。
教育指導の原理
「学習指導の原理」- 自発性の原理
- 子どもの好奇心や意欲を引出、自己活動を導く。
- レディネスや動機づけに対する配慮を必要とする。
- レディネス:学習する上での心身の準備・成熟・適合の状態をいう。
- 経験の原理
- 言語ではなく、生活や経験を通して指導すること。
- ペスタロッチ、デューイ
- 視覚的方法(代理経験)が重要な役割を果たす。
- 感性的理解の原理
- 直接的体験や直観による理解のことで、子ども自らに行動させる、子どもの経験に結び付ける、視覚的方法の活用、などがある。
- 社会化の原理
- 健全な人間関係を作り出すような援助や指導が必要である。
- 個別化の原理
- 個人差に応じた個別的指導。
- パーカストのドルトン・プランやティーム・ティーチング(T.T.)など。
「学習形態」
- 一斉学習
- 多数の子どもを同じ場所に集め、一定の時間内に一斉に同じ内容を教える方法。
- 知識の詰め込み、指導が画一的、個性が軽視される。
- 小集団学習(グループ学習)
- 子ども達に共同で、自主的に学習課題を解決させ、意識的で能動的な知識・技能の習得を目指す方法。
- 個別学習
- 学校制度が確立する以前から存在した学習形態。